
2025年11月19日|ダイヤモンド・オンライン記事まとめ
■ 人家に侵入し81歳女性を襲ったクマ——なぜこんな事故が起きたのか?
2025年7月、岩手県北上市和賀町の住宅にクマが侵入し、居間にいた81歳の女性が襲われ亡くなりました。
「なぜ人家にまで入り、人の命を奪う行動に出たのか?」
その理由を探るため、駆除後のクマを解剖した岩手大学 農学部の山内貴義准教授に話を聞いた結果、衝撃の事実が明らかに。
■ クマは本来“肉を食べるために襲う”動物ではない
ヒグマもツキノワグマも、基本的には植物中心の雑食性。
・ヒグマ:草本や果実
・ツキノワグマ:ブナやナラ類の実
性格も基本的には臆病で、人間を避ける傾向があります。
「クマは人を食べるために襲うことは極めてまれです」(山内准教授)
■ 解剖で判明:胃の中の“3分の2”は米
今回の加害クマの胃から見つかったのは、大量の米。
- 胃の内容物の約3分の2 → 米
- 残り → 草
- 体には脂肪も多く、栄養状態は悪くない
それにも関わらず人家に侵入した理由は、「人家で食べ物を得られる」と学習していたからと考えられます。
実際、この事故の数日前にも別の家に侵入し、廊下に置かれていた米を食べていたことが確認されています。
つまり、食料目的で入り、鉢合わせた人間にパニックして襲った可能性が高いのです。
■ しかし稀に“学習して人を襲う個体”も存在する

2016年の「十和利山熊襲撃事件」では、
・4人死亡、4人重軽傷
・解剖したクマの胃には人肉と頭髪が詰まっていた
・後の襲撃では「クマがまっすぐ人に向かった」という証言も
まれではあるものの、“人を襲えば食べられる”と学習する異常個体が存在することも事実です。
■ 2025年10月にも恐るべき事件が続発
10月8日:岩手県北上市・入畑ダム付近で死亡事故。遺体に食害。
10月16日:2km先の瀬美温泉で男性従業員が襲われ死亡。
→ 駆除されたクマの胃から人間の肉片が確認。
体には脂肪がほとんどなく、ドングリなどの植物もほとんど食べていなかったという異常な状態でした。
「人肉の味を覚えた可能性は否定できない」と山内准教授。
■ そもそも人とクマの距離が急速に近づいている
理由は明確です。
- 過疎化で里山の緩衝帯が消失
- 農地の放棄で山と人家の境界が曖昧に
- ハンターの減少で管理できない地域が増加
結果、**“人がクマの生活圏に入り込んだ”のではなく、“クマの生活圏が人側に広がっている”**状況になっています。
■ 対策は“後手から先手へ”
山内准教授が提案するのは、先回り型の対策。
● AIカメラで出没を監視
→ 出現が多い地域に先んじて罠を設置し捕獲する仕組み。
● 北海道では捕獲目標数を設定
→ 害が出る前に「個体数管理」を行う方針へ転換。
● 人とクマのすみ分けを明確に
→ ゾーニング管理の導入で、生活圏を重ならせない。
“学習するクマ”が増える前に、環境側から整える必要があります。
■ まとめ:クマを責めるだけでは解決しない
今回の事件は、
- クマが人を積極的に襲った
ではなく - 人家周辺で食料を得ることを学習したクマと、人が鉢合わせた結果
という可能性が高いと考えられています。
しかし一方で、
人肉を食べ“人を襲うことを学習した”個体の存在も否定できない。
だからこそ重要なのは、
- 人家周辺に食料を放置しない
- クマを近づけない環境づくり
- 出没情報の共有
- AIや罠を使った先手の管理
という「人とクマの距離を再び離す」取り組みです。
クマが山で安心して暮らせる環境を整えることが、結果的に人の命を守ることにもつながります!
引用
https://www.news-postseven.com/uploads/2018/06/aflo_bear.jpg
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